猫とワタシ

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Everyday is a good day to be alive with Pata's Roll!

from 2014.10.16 count started

この記事のみを表示する多情仏心

雑感

子どもの頃から寝つきが悪く、眠りが浅い性質なのですが、年に
一、二度抗いがたい睡魔に襲われることがあり、そんな夜は必ず
"茫々と果てしなく墓標が並んでいる光景"を夢に見ます。

眠くてたまらないときは「あちらの世界から呼ばれてる」なんて
よく云われますが、懐かしい再会をしたことは残念ながらなく、
とにかくモノクロームの世界に墓標だけが延々と(笑)。

京都の地名で「○○野」と呼ばれる場所は、かつて葬送の地だった
ことはご存知だと思います。
    鳥部野(とりべの)は東山の清水寺付近。
    蓮台野(れんだいの)は北区船岡山の千本釈迦堂付近。
    化   野(あだしの)は右京区嵐山の化野念仏寺付近。
京都の三大葬送の地で、平たくは『野晒(のざらし)』地区ですな。
落語にもありますね。寂々としてますが、風情は十分感じます。
清水寺 千本釈迦堂 化野念仏時
そして内裏から見て鴨川が現世と冥界の境界。あ、オカルト話
してるんじゃないんですよ。冒頭の夢は、おそらく化野念仏寺の
風景が基調になっているのではないかと思うんです。私たちが
日常過ごしている場所も、遠い昔はさまざまな生と死の物語が
交錯していたはず。そう考えるとロマンティック・・・でもないな(笑)。


 前のめりのまま 無造作に投げ出された愛が
 季節に追われ ころんだまま
 野晒しになっている 鳥辺野    (『鳥辺野』/さだまさし)